No.2 その気にさせてくれなければ・・・買わない!

 大手ファミリーレストランの郊外店での話。午前10時ごろだったが休日のせいか、ブランチの客が多かった。席選びで店内を眺めて驚いた。片付け終わっていない汚れたままのテーブルがいくつもあるではないか。食欲が一気に萎えてしまった。
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 宅配便で届いた、職人技の旨さと評判の「塩辛」。開けてまず目に飛び込んできたは、丸めた新聞紙のクッション材だった。立派な材料を使えとは言わないが、新聞紙はないだろう。一人よがりの自慢作塩辛に違いないと思った、食べてみたら、案の定だった。
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 売店の運営は地域の農協だという某道の駅。信州名物の「おやき」が焼きながら売られていた。多くの客が寄ってくるのだが誰も買わない。それはそうだろうと納得した。直前まで畑にいたらしく、実用一辺倒の野良着姿のオバちゃんが焼いているのだ。
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 農産物の直売所や道の駅などに立寄り、その土地の食べ物を買うのは旅やドライブの楽しみの一つだが、実際、買い物をするのは5回に1回程度だ。なぜか?買わない共通点は、「売場が、商品が、食欲を掻き立ててくれないから」だ。
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 ウサギではあるまいし、ニンジンを食べたいとニンジンを買いに来る客は皆無なはず。客がニンジンの向こう側に見ているのは、おいしそうなきんぴらや肉じゃがのはず。その食欲を刺激し、その気にさせればいいのに、そういう農業界の売場は皆無に近い。

JAMM取締役 鈴木肇



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